なぜ私が貧乏恐怖症になったか。
間違いなく育ってきた家庭環境でしょう。
私の両親はずっと共働きでした。
その関係で6年保育園へ通っていたのです。
父は昔ながらの九州男児で、親が気に入らないことがあれば手が上がる様な環境。
母はそんな父についていく従順な妻そのものでした。
母が働くきっかけになったのは、父が働いてくれと頼んだことから。
母の口癖はいつも「うちはお金がないから」でした。
いつも毎回「家にはお金がない」と言われ続けると、幼いながら我慢せざるおえない気持ちになってしまいます。
我慢の押し売りなのです。
実際本当にお金がなかったのか。
父はトヨタ自動車に勤務し、母はその下請けの工場で務めていました。
私が3歳の頃、宮崎県から豊田市に引っ越してきた我が家。
最初は市営住宅で暮らしていました。
私が小学2年の頃、分譲マンションを購入。
その後マンションを売却し、新しいマンションを購入。
その後、またマンションを売り、今の自宅である一軒家を建てたのです。
その一軒家ですら、10年後には全て壊して立て替えたのです。
これが、お金がない家の出来ることでしょうか?
父は現役時代、1回のボーナスに少なくとも100万は貰っていました。
定年退職後は、父と母の年金を合わせて、なんと50万以上ももらっていたのです!
とにかく父はワンマンで、自分のやりたいことをとにかく我慢が出来なかった。
そんな父は、理想の家に住むことを常に追求していたため、母を働かせていたのだと思います。
唯一の救いなのは、母を働かせる分、父は家事にも協力的でした。
しかし、私や兄はとにかく厳しく育てられ、とにかく親がやりたいこと中心で、子供に愛情を注がれた記憶がありません。
私は女性だったことから、父からの暴力はまだ少なかったのですが、兄は本当にひどかったのです。
兄が高校に進学する際、公立高校は難しいと分かった時、父は「こいつにかけるお金はない」と言って定時制へ行かせたのです。
とにかく「うちには金がない」を子供には押し付けつつ、少しでもはむかうと話し合うより先に手が上がる。
そんな毎日を過ごしていて楽しいわけがありません。
子供にとって癒されるはずの家庭や親は、私にはありません。
私にとって家庭はトラウマでしかないのです。
だから50歳になった現在、母は80を過ぎましたが、育った環境がフラッシュバックして、怖くて実家へは帰ることができません。
私のメンタルは育った環境で完全に歪められてしまったのです。
小さいころから言われ続けた「家にはお金がない」。
何かあれば力で抑圧させられる。
気が付くと、大人になった私はかなり偏った考え方となり、素直に感情をコントロールすることが出来ず、悩みました。
専門学校を卒業した20歳に、逃げるように家を出て一人暮らしを始めたのです。
産まれて初めての、何者にも変えがたい解放感でした。